殴り書き

振り続ける雨

止まないで そう願った

顔をわざと濡らす

過去の記憶を隠すように


ゆっくりと丁寧に紡いだ過去が一瞬にして溶けてゆく

アスファルトに叩きつけられる雨粒に

共感を覚えてしまった

いつからだろう


惰性で息をする自分には

もう綻びなんて見つけることすら出来ない


大好きだったはずのチョコレートも

嫌な苦味だけが口に残る


記憶の中で誰かが警告していた

全ていつか泡になってしまうから、と


そんなことくらいわかっているよ

わかっていたはずだったよ



最初から無くなるって知っていたら

きっと幾分楽だから

歌に乗せた嘘に惹かれていたのかもしれない



明日 明日はどんな日になりますか?

色彩すら定かではない世界で

わたしは

わたしは 孤独を歌えるだろうか