メランコリー

世界のはじまりも悲しみという感情もきっと似ている

目の奥が痛いような嫌な感覚で明日に絶望する

冬に友達と遊んだ後の帰り道に漕ぐ自転車みたいな

鋭い寒さとか

寝過ごして降りた停車駅で見た夕焼けのように

隔絶したものがわたしであればいい

目まぐるしいくらいに一日が刹那的に過ぎ去っていく

貪欲なくらいで丁度いい

されど枯渇の響きは続いてゆく



温かいような、生ぬるいような水槽の中で泳ぎ続ける

あの日の金魚は何を思うだろう

言い訳だったはずの戯言が美しい



鈍い痛みが快感に変わっていったとき

わたしの欠陥が溶けてなまめかしい何かになった

それでいてどこか過激な銃弾

おかしいな



他人には理解できないような感覚が愛おしい

酔いしれているのかもしれないし

冷静に飼い慣らした狂気をひらめかす自分が

好きなのかもしれない



滑稽なほどぼやけた輪郭を追い求めている



明日も 明後日も きっと死ぬまで